| 21世紀も早いものですでに3年もの月日が流れてゆきました。私たち測量業界では、2002年4月改正測量法施行から世界測地系導入は記憶に新しく、様々な場面に、世界測地系という文字に出会います。さてこの世界座標とともに、今年度からの新しい「都市再生街区基本調査事業」はどのような背景や技術が要求されるのでしょうか? |
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国土調査:地籍測量
昨年4月オープンした六本木ヒルズは、実は土地の境界確定に手間取らなければ、もう2〜3年早くお目見えしたと言われています。都市部における道路などの公有地と民間の土地との境界、すなわち「官民境界」や、民と民の「民民境界」の地図が曖昧だったことなどから、その確定に手間取ったからです。土地の境界を確定する重要な基礎資料の役割をはたすのが地籍調査ですが、昭和26年から半世紀にわたって行われてきた地籍測量の進捗率は50%弱です。この事業は農業政策としての地籍調査であったことなどから、肝心な都市部は進捗率が低く、大阪などの場合は僅か2%です。 |
| ですから東京都は、都市部の地籍調査を強化するため、地籍調査の担当部署を農林水産部から都市整備局へ変えているようです。国としてもこのまま都市部の地籍調査を放置するわけにいかないと今年度より「平成の小泉検地」と呼ばれる「第二の地籍」調査が始められました。 |
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平成の小泉検地
この事業は、法務省が保管している公図や地方自治体が保管している道路台帳付図などを正確な位置に貼り直すようににて、都市部における「地籍素図(そず)」をつくる事業で国土交通省と法務省が連携して実施する画期的な事業です。とりあえずの3ヶ年の計画では「都市再生街区基本調査」が行われ、その初年度として102億円が予算化されました。3カ年計画の後、様子を見て全国の都市部を整備する計画と聞いています。この「街区基本調査事業」をさらに詳しくご紹介しますと、工程的には
@街区基準点の測量
A公図の数値化
B公図のデータベース化
と3区分になる様です。まず正確な地籍調査素図を作成するための街区基準点という「新しい名称の基準点」を設置します。次にこの街区基準点から街区点を測量しますが、今年度102億円のうち、この街区基準点測量等に60億円が配分されるとのことです。地籍調査の図根三角や図根多角測量または公共測量などとの整合がとれた測量のようです。 |
GPS測量
ところで最近は、GPS測量が大きな役割を担っています。
測量法改正で基準面の統一が行われてわずらわしい手続きなしで簡単にGPS測量ができるようになったり、電子基準点の整備とデータが公開されたりして、GPS測量はぐんと身近な測量方法になりました。
しかし電子基準点の密度が十分でなかったりあるいは都市部ではビルの谷間で衛星の電波が届かなくGPS測量ができなかったりとGPS測量にもまだまだいろいろな問題があります。また、10kmを超える測量では2周波受信機が必要だとか、まだまだ改善する余地はあります。そのため、最近では1台のGPS受信機だけで測位できるネットワーク型RTK-GPS測量が実用化されています。 |
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ネットワーク型RTK-GPS
全国に1,200点の電子基準点が配置されたといっても、電子基準点同士の距離は20km程度ありGPS測位には利用しやすい地域という点でまだ問題があります。
スタティック測位の場合、電子基準点から10kmを超えると2周波受信機が必要な大掛かりなものになってしまいます。
RTK測量でも、間接測量の場合は、観測点は電子基準点から10km以内と定められているため、十分な配置密度とはいえません。GPS測量ではGPS衛星と地上との壮大な三角測量であり、電離層や対流圏による測量誤差を補間するために、基地局、移動局の距離の制限がついて回ります。
ところが昨今、GPS機材1台と電子基準点網を利用する新たな技術が実用化されました。「ネットワーク型RTK-GPS」とよばれるものです。「ネットワーク型RTK-GPS」には現在、先にサービスを始めているVRS方式と、最近実用化されたFKP方式の大きく2種類があります。図をご覧いただければお分かりのとおり、ネットワーク型RTK-GPSの何れも、1回1回の観測値のばらつきはスタティックには及ばずながらも、瞬時に2cm以内の精度をほこります。実用レベルでも約10秒ほどで、世界座標値が手に入るわけですが、1台のアンテナとGPS受信機で、手軽に簡単に、短時間でしかも高精度に測位できることから、世界座標化への実用的な測位法として、脚光をあびております。 |
準天頂衛星
しかし、ネットワーク型RTK-GPSでも、都市部のビルの谷間での測量に関して、現状そんなに簡単にいきません。ネットワーク型RTK-GPSでも、4個以上の衛星を補足できなければ測量できませんので、現状ではトータルステーションの活躍に期待する方が大きいと思います。
しかし、近い将来、準天頂衛星が打ち上げられます。これは日本上空に必ず1機が、ほぼ真上に居るように設計されているGPS機能もついた国産多目的人口衛星です。従って都市部での衛星補足数が1つ増え、GPS測量も格段に観測可能地域が増えるでしょう。また作業規程も今後新技術の見直しや採用はさけて通れない時代であることも事実ですからまさにネットワーク型GPS時代に向かって進むはずです。
これまでの地籍調査は、主に農村部の測量だったので、GPS測量は比較的やりやすかったこともあります。一方、都市部はビルが多いとか交通量が多いとか農村部とは本質的に違った技術が要求されています。 |
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ハイブリット測量
準天頂衛星をとりこんだGPS測量も、都市部には大変適しています。またGPS測量とトータルステーション測量の「異なる要素」の複合データを同時に取り込んで処理をする「ハイブリット測量技術」等が要求されます。アイサンテクノロジーではこうした新しい技術を皆様方に提供できる体制を整えてきております。0:25
2005/08/01 |
座標変換/変換誤差指数
現時点では更に詳しい部分はわかりませんが、街区基準点測量は、地籍図根点や公共基準点と整合を保ったものとのことですから、すでに設置された地籍図根点などを活用するためには、旧日本測地系の座標であれば、世界測地系へ座標変換しなければなりません。
アイサンテクノロジーでは測量法の改正の4年前から調査研究を重ね、世界座標への座標変換といえば、アイサンテクノロジーは他社の追随を許さない高度な技術を持っています。
当社の座標変換支援ツールは、様々な業務に利用できます |
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例えば、TKY2JGDによる座標変換の誤差分布を一目瞭然の図に表す、商標名Trans/EDX.これは「変換誤差指数」というものです。面積誤差を表すこともできますが、図は関東南部におけるTKY2JGDによる不済み変換誤差分布です。「色塗りされた地域は、基準点の座標変換を差し控えたほうがよいでしょう。」というものです。色が濃くなるほど変換誤差は大きくなります。今回の都市再生事業でもきっとお役にたてるのではないかと思います。 |
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図をご覧下さい。伊豆半島の地震地域は真っ赤です。同様に、平成3年に改ざんした東京都は周辺地域と折り合いが悪く真っ赤です。こうした地域では座標変換誤差が極めて大きいことを示しています。大きいところでは、座標変換誤差が80cmもある場所を確認しております。 |
公図と基準点との関連づけ
ところで街区基準点の設置によって、正確な位置の基準がつくられますね。その後、公図などとその基準点との関係づけが必要になると思いますが、どのように処理されるのでしょうか?
正確な公図なら問題なく、基準点の成果との関係がつけられ、その公図は正確に世界座標の位置づけが行われます。しかし、公図など図面が不正確な場合の処理は簡単ではありません。今回の調査では、まず「公図などの現状に関する調査」を行うようです。
公図などを基準点の成果に合致させるにはどんな方法として、公図などを日常的に扱っている仕事では、ほとんど手作業に近い方法行っているようです。しかし、今回都市再生事業のように大規模な仕事になれば、パソコンなどを利用した効率的な一括処理が必要になると思います。アイサンテクノロジーでは、すでにこうした処理の支援ツールも開発しております。 |
デジタル化された任意座標による9図があります。その図をとりあえず街区基準点に合わせる方法として次の方法ができます。
@面積を変えないで平行移動と回転による3パラメータ変換
A面積は変わるが、相似変換であるヘルマート変換
B面積も図形も変わるが、整合性がよくなるアフィン変換
などです。
これらの方法では、街区基準点と完全に一致しません。その場合、9図の全体を調整して街区基準点に完全に合致させることができます。測地学では定番の最小2乗コロケーション、つまり「LSC(エルエスシー)」の理論を使うのです。アイサンテクノロジーが開発した「平成検地」につけられた「LSC機能」を使えばよいのです。図のように喩え確定地区に挟まれた9図地区も平成検地LSC機能を使えば見事に!隣接地区との整合が取れ、「都市再生街区基本調査-公図の数値化・データベース化」に大いに役立つ支援ソフトといえます。 |